■ 第3回:メールアドレス収集・データベース構築 アパレルショップ マーケッター 大野 氏(仮名) _______________ メールアドレスがない!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ さて、メールアドレスをどうしようか。会員カードを発行する際に名前や住所 を手書きで書いてもらっているため、顧客情報としては残っている。DM(ダイ レクトメール)の宛て先にするため、パソコンにも一応入力している。 しかし、メールマーケティングなんて考えはなかったものだから、メールアド レスを記入する枠がなかった。当然、パソコンに入れ込むデータもない。 メールマーケティングするならば、兎にも角にもメールアドレスの収集だ。と りあえず、会員カード発行の際に記入いただく用紙に、メールアドレスの欄を用 意することにした。 メールアドレス記入欄は、正確なアドレスを記入してもらえるよう、名前と同 格の扱いとした。欄が小さいと「せっかく記入してもらったのにメールアドレス が読めない」という事態を招きかねない。間違ったアドレスを記入することもな いだろう。 また、記入の際に、メールアドレスを記入してもらうときに、メールでしか受 け取れない得な情報があります、といったメリットを伝えることとした。これで、 メールアドレスを持っている人の殆どが記入してくれるはずだ。 _____________________ 顧客のメールアドレスを収集するには  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 新規顧客は会員登録用紙に記入していただくことで問題ない。その他に考えな ければならないのは、既存のお客様。既に会員用紙に記入いただいてるので、追 加でメールアドレスだけ聞けばいいのであるが、そのやり方をどのようにするか だった。 (1)DMに返信用ハガキを同封し、メールアドレスを記入してポストに投函 してもらう。 (2)来店時に聞く。 しかし、DMに返信用ハガキを入れる、という案については、もともとコスト がかからないという理由もあり着手したメールマーケティングなのに、とどのつ まりコストをかけてしまうことになる。この案自体、実施するにふさわしくない という結論を下した。 そこで「来店時に聞く」という方法に絞ることにした。店員に 「メールアドレスを聞いたその場でメモをとり、必ず復唱し確認すること」 と徹底し、新規顧客と同様、メールからの情報がメリットがあるということを前 面に押し出すことにした。 お客様にメールアドレスを聞く日々が続いた。当初は、店員がお客様に、メー ルアドレスを記入することのメリットをうまく伝えられなかった。また、折角教 えていただいたメールアドレスのメモ紙をなくしてしまうなどの戸惑いもあった。 しかし、徐々に店員の意識も変わり、メールアドレスの収集が難なく行えるよう になっていった。 最終的に、 ・ メールでのみお伝えするお買い得情報がある。 ・ 緊急連絡の際に、電話ではなくメールで連絡することがある。 などをポイントに、顧客の既存・新規の状態に関わらずヒアリングした結果、 584件(内携帯アドレス24件)を収集できた。 _______________________ メールマーケティング用データベース構築  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ さあ、収集した顧客データをデータベースに入れよう。今まで使っていた顧客 データベースのままではメールマーケティングに適しない部分がある。メールマ ーケティングをスムーズに行うために、現在の顧客データベースをもとに、メー ルマーケティングに適したデータベースを作り、収集したデータを活用したい。 ■ 収集したデータ ┌───────────────────────────────┐ │・住所 ・氏名 ・職業 ・性別 │ │・生年月日 ・メールアドレス │ │・各種サイズデータ(ネック、裄丈、ウエスト、股下など) │ │・購買履歴(アイテム名、品番、サイズ、カラーなど) │ └───────────────────────────────┘ 収集した項目を検討する。 まず「氏名」「職業」「性別」「メールアドレス」の項目については、配信す るにあたり、メール本文に反映するべきデータとして残す。 次に「住所」。DMと違い詳細なデータはいらない。すぐに来店できるような 地域に住んでいるかどうかというのがポイントとなる。そこで、住所は「遠方か どうか」という括りで変換した。 「生年月日」は誕生日にお祝いメールを送信してみるのもいいのではないかと 思い、とりあえずデータベースに保存することにした。 細かい「各種サイズデータ」「購買履歴」等については、本来なら貴重なデー タとしてメールマーケティングに活用したいデータである。しかし、今回は会社 のリテラシーの問題を懸念し、見送ることにした。 ■ メールマーケティング用データ ┌───────────────────────────────┐ │・住所(遠方か?) ・氏名 │ │・職業 ・性別 │ │・生年月日 ・メールアドレス │ └───────────────────────────────┘ 早速新しいデータベースをパソコンで作った。6項目だけのスッキリとしたレ イアウト。これなら、パソコンに疎い店長もわかりやすいだろう。やっと配信に 必要な顧客データの部分が揃った。 次の課題は配信の内容やスケジュールだ。何も考えず配信することは簡単かも しれないが、はっきりとした効果・結果を見出すためには、きちんとしたプラン ニングが必要になる。メールアドレスの収集方法は、このまま継続していけばい い。メールアドレスの収集を続ける傍ら、メールマーケティングに没頭していく 自分を感じていた。 第4回 EMM実践準備(3)配信スケジュール設定 につづく